確定拠出年金とは? 確定拠出年金は、支払われた掛金が個人ごとに明確に区分され、その掛金と運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度をいいます。特徴としては、どのような運用先を選ぶのか、という責任(選択権)は自分自身にあり、その運用結果により、将来の年金受取額が変わってしまう、という点です。つまり、自己責任であると言えます。 iDeCoの加入者数が110万人を超え、毎月増え続けているようです。掛金は、小規模企業共済掛金等控除ができることは知られつつありますが、亡くなった場合にはどのように扱われるのでしょうか。確認してみましょう。 401k加入者が亡くなった場合、掛金はどうなる? 掛金の負担者は誰? 確定拠出年金は、その掛金の支払者が誰であるかにより、大きく2つに分かれています。 掛金を企業が負担する 企業型年金 と加入者自身が負担する 個人型年金(iDeCo) があります。 人により掛金の限度額が異なる! 掛金の限度額は、国民年金の加入資格などにより異なります。具体的には、下図のとおりです。 iDeCo 個人型年金(iDeCo)の場合 個人型年金(iDeCo)の掛金限度額は、自営業者などの国民年金 第1号被保険者 の人は、 月6. 8万円(年間81. 6万円) 。 専業主婦などで第3号被保険者 の人は、 月2. 3万円(年間27. 6万円) 、 公務員 は、 月1. 2万円(年間14. 4万円) となります。 サラリーマンなどの第2号被保険者(公務員を除く) は、働いている会社の規約等により、 月1. 4万円)から月2. 6万円)の範囲のうちの一定の金額 となっています。 給付はどうなるの? 給付は4種類 となっています。 1. 老齢給付金 給付方法:5年以上の有期又は終身年金(規約の規定により一時金の選択可能) 受給要件等:原則60歳に到達した場合に受給することができる (60歳時点で確定拠出年金への加入者期間が10年に満たない場合は、支給開始年齢を引き伸ばされる) 8年以上 10年未満→61歳 6年以上 8年未満→62歳 4年以上 6年未満→63歳 2年以上 4年未満→64歳 1月以上 2年未満→65歳 2. 障害給付金 受給要件等:70歳に到達する前に傷病によって一定以上の障害状態になった加入者等が傷病になっている一定期間(1年6ヶ月)を経過した場合に受給することができる 3.
死亡一時金 給付方法:一時金 受給要件等:加入者等が死亡したときにその遺族が資産残高をベースとして受給することができる 4. 脱退一時金 受給要件等:一定の要件を満たした場合に受給することができる iDeCoを受け取る前に死亡したら掛金はどうなる? 上記3. 死亡一時金に該当し、iDeCoの加入者等が死亡した場合、その遺族が資産残高(掛金と運用収益との合計額)をベースとして受け取ることができます。 (加入者等とは、加入者・運用指図者又は自動移換者(企業型確定拠出年金の資格喪失後、6ヵ月間、手続きをとらず、年金資産が特定運営管理機関に移換された者)をいいます。 受け取ることができる遺族とは? 受け取ることができる遺族の範囲及びその順位は下記となります。 第一順位: 死亡した者により生前に受取人として指定された者 第二順位: 配偶者(内縁関係含む) 第三順位: 子 (生計維持関係がある場合) 第四順位: 父母(生計維持関係がある場合) 第五順位: 孫(生計維持関係がある場合) 第六順位: 祖父母(生計維持関係がある場合) 第七順位: 兄弟姉妹(生計維持関係がある場合) 第八順位: その他の親族(6親等内の血族、3親等内の姻族)(生計維持関係がある場合) 第九順位: 子 (生計維持関係がない場合) 第十順位: 父母(生計維持関係がない場合) 第十一順位: 孫(生計維持関係がない場合) 第十二順位: 祖父母(生計維持関係がない場合) 第十三順位: 兄弟姉妹(生計維持関係がない場合) その手続き方法は? 遺族が下記の手続きを行います。 個人型確定拠出年金の加入者・運用指図者であった人の場合 ・運営管理機関に、加入者等死亡届を提出する。 (死亡診断書又は死亡を明らかにすることができる書類等の添付が必要。(写しでも可) ・年金資産を管理している記録関連運営管理機関に、死亡一時金裁定請求書(必要書類も添付)を提出する。 (死亡一時金の支払手続きは、記録関連運営管理機関が行います。) iDeCo 自動移換者であった人の場合 運営管理機関に、死亡一時金裁定請求書(必要書類も添付)を提出する。 (死亡一時金の支払手続きは、特定運営管理機関が行います。) iDeCo みなし相続財産として相続税の課税対象に! iDeCoの死亡一時金は、相続税の みなし相続財産 になります。 iDeCoの給付は4種類となります。給付されるのは、どのようなケースなのか、をあらかじめ知っておくのもよいのではないでしょうか。